嘘八百日記

このブログ記事は全てフィクションです。

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

閉鎖病棟入院記③

6月30日(木) 6:30に起床。 顔を洗い、朝食を済ませると僕は決まってすることがある。 それは、談話コーナーに置いてある朝刊を読むことだ。 いい意味でも悪い意味でも刺激がなく、穏やかに時が過ぎ去っていく——この閉鎖病棟の中にいると、外には無数の人がい…

閉鎖病棟入院記②

6月29日(水) 閉鎖病棟では、精神疾患を持った患者が療養している。 基本的にはどの患者も大人しく、穏やかなのだが、中には少し変わった行動をする患者もいる。 50代女性患者の長谷川さんは、歌が大好きなのか、病棟内を散歩しながらよく通るソプラノで歌を…

閉鎖病棟入院記①

〇まえがき この日記は、数日前から精神病院の閉鎖病棟に入院している私が、日付感覚を忘れないように書いていくものだ。スマホが使えるようになったのが5日目だったので、5日目の日記から始まる。 なお、嘘八百日記の趣旨に沿い、この日記はいくつかフェイ…

想像の翼を羽ばたかせて

今日の朝、少し嫌なことがあった。 大学に登校する道の途中、人が2人並んでやっと通れるほどの細い歩道があった。 僕はいつものようにそこを歩いていたところ、向こう側から男子高校生3人が歩いてきた。完全に横並びというよりは、 端にいる1人が他の2人の少…