嘘八百日記

このブログ記事は全てフィクションです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

異常独身男性の憂鬱⑦

「ん、……ぁっ」 「ここがいいんですね……? 」 「あっ、は、ぁ…… そこ、きもちいい、ですっ…… 」 村雨さんの嬌声がリビングに響く。部屋は間接照明のみがつけられており、暖色の柔らかな光が彼女の肢体を艶めかしく照らしていた。 「じゃあ、ここなんてどうで…

心の贅肉のポワレ 希死念慮と劣等感のキャベツ包み 隙自語を添えて

これは遺書のようなものである。 いつ自分が死んでしまっても大丈夫なように、文章の形で今の自分の気持ちを残しておこうと思う。 自分が何も残さずに死んだら、私という存在がそもそもなかったかのように忘れられてしまいそうで、それがすごく怖かった。自…

異常独身男性の憂鬱⑥

デパートを出てから、俺たちは一息つくために駅から出てすぐの所にある喫茶店に来ていた。 チェーン店なのだが、コーヒーの豆にこだわっているらしく、価格が高めであるからか客の年齢層が高く、繁華街の中であるというのに落ち着いた雰囲気であった。 村雨…

異常独身男性の憂鬱⑤

村雨さんの服を買い終えた俺たちは店を出た。 「私の買い物にお付き合いいただきありがとうございます」 「いえ、 俺が役に立ってたのかどうかって感じでしたけど…… 」 俺がしたことといえば、新しい服に着替えた村雨さんを眺めて呆けることぐらいだったのだ…

最近、脳内で植物を育てています

私は、脳内で植物を育てている。その植物は、神経伝達物質であるセロトニンを養分として吸収し、成長していく。植物はゆっくりと脳を蝕み、いつしかその根が脳髄全体へと到達すると、思考や行動をも支配してしまう。自分の意思で体を上手く動かすことが出来…

異常独身男性の憂欝④

その日の深夜。 俺は自室で寝ていたのだが、尿意を催してしまったので、眠い目をこすりながら手洗いに向かった。 俺の部屋から廊下を挟んで向かい側に村雨さんの部屋がある。なので、トイレに行く途中に彼女の部屋の前を通るのだ。 この扉の向こうで村雨さん…

異常独身男性の憂鬱③

今日は出社日だった。仕事を終え、会社を出る頃には辺りはすっかり暗くなり、街灯が寒々しく道を照らしていた。 身を切るような寒さに耐え、何とか帰宅した。冬の日の夜に外を出歩くのは、寒がりな俺にとっては命をすり減らしているようなものだ。 かつて住…

異常独身男性の憂鬱②

「こんにちは。私、異常独身男性監視委員会の村雨と申します。本日はどうぞよろしくお願いしますね」村雨と名乗るその女性は柔和な笑みを浮かべている。その言葉さえ聞かなければ、素直に可愛らしいなと思えるのだが、今はそれどころではなかった。「異常独…

異常独身男性の憂鬱①

俺は自分が異常独身男性という自覚がある。彼女いない歴=年齢、特定の友人もおらず、女性に相手されたことも無い。明確な定義がある訳では無いが、その自覚がある以上、俺は異常独身男性なのだ。今回はそんな俺が巻き込まれた、ある事件について書こうと思…

猫カフェに行ったら人類が滅亡していた

私は先日、猫カフェに行ってきた。今回はその時の体験をもとに記事を書こうと思う。 その日、私は東京都M市のとある猫カフェに来ていた。 私は大の猫好きなのだが、現在住んでいるのは賃貸なので猫は飼えない環境にあった。 猫カフェは気軽に猫とふれあう時…

魔界コンセプトのメイド喫茶に行ったら、本当にモンスターに出会えた

先日、僕はとあるメイド喫茶に行った。今回はその時の体験を元に記事を書こうと思う。 その日は平日だったのだが、有休を消化するために仕事を休んだので1日暇だった。 平日の昼間に出歩くなんて学生の時以来だろうか。僕はある種の開放感を覚えながら、秋葉…

ふるさと納税したら呪いの箱が届いた

今週のお題「ふるさと納税」 私は最近「ふるさと納税」を始めた。ふるさと納税というのは、応援したい好きな自治体を選んで寄付をする仕組みのことだ。 寄付をすると、その自治体の特産物が寄付の返礼品としてもらえ、寄付金が税金から控除される。これはお…

サイゼリヤに行ったら間違い探しの間違いの世界に入った

私はサイゼリヤが好きだ。比較的値段は安いのに、味はそこそこ良くて満腹になれるからだ。今日も私は仕事終わりに、夕食を食べようとサイゼリヤに行った。席につき、メニューは見ずに注文用紙にメニュー番号を書き込む。店に来る前から、食べるものはすでに…

ペットの名前は『希死念慮』

最近、僕はペットを飼い始めた。いや、飼わざるを得なくなったと言った方が正しいかもしれない。ある日、僕が学校から帰宅すると、ソレはいつの間にか僕の部屋に入り込んでいた。どこにそんな隙間があったのだろうか。僕は何度もソレを追い出そうとしたのだ…

シュルレアリスム

目が覚めると、私は薄暗い場所に横たわっていた。ここはどこだろう。私はこの場所に全く見覚えがなかった。ポツリ。いくつもの水滴が私の頬を叩いている。ここではずっと雨が降っているみたいだ。私は重い体を何とか起こして立ち上がった。周りを見渡すが、…

童貞を殺す服で童貞を殺した話

俺はかつて人を殺めてしまった。今日はその時の話を記事に書こうと思う。 皆さんは『童貞を殺す服』というものを知っているだろうか。一昔前にネットで流行っていたから写真を見た事のある人は多いだろう。それは背中が大きく開いた露出度の高い服だ。ここで…

キャラクターカフェに行ったら狂気を感じた話

先日、私は大学の友人(以後Mとする) と、あるキャラクターをテーマにしたカフェに行った。そのキャラクターというのは、近頃有名になった『獄門パンデミック(略して獄パン)』だ。皆さんもこのキャラのイラストは何処かで見た事があるだろう。刎ねられたパン…

大学時代の友達と飲んだら奇怪な出来事が起きた

昨日は大学時代の友人たち3人と飲みに行った。その時の話をしようと思う。 その日の飲み会ではレンタルルームを借りて、それぞれが料理や酒を持ち寄って行った。各自の嗜好性の現れたおつまみや酒を味わうのはなかなか良かった。ジンバブエ出身の田中が持っ…

彼氏持ちの女子と浮気した時の話

携帯のメモリーカードの残り容量が少なくなってきたので、写真フォルダの整理をしていた。SDカードには高校生時代の写真も残っており、整理するのも忘れてひたすら眺めてしまった。その中には文化祭の時の体育館と思われる場所で、アコースティックギターを…

野良猫に付いて行ったら不思議な喫茶店に着いた話

その日は暖かくて穏やかな小春日和であったので、散歩に出かけることにした。近所にある公園にでも行こうかと思い、住宅街の道を歩いていると、1匹の猫が道路に寝そべっていた。私は猫が好きだ。顔と耳が絶妙なバランスで存在し、そこには可愛いという感情以…

世界からクソリプが消えたなら

諸君は『クソリプ』というものを知っているだろうか。クソリプというのは、SNSにおいて特定の投稿に対する返信であるリプライの中でも、受け取った側の気分を害したり、内容が全くの見当外れであったりするなど、「クソ」と称したくなるようなリプライに対す…

高校生の時に体操着を盗んだ話

これは僕が高校2年生の頃の話だ。夏が終わり、涼やかな風に秋の訪れを感じる時期であった。その日、僕は夕日に照らされた放課後の教室に来ていた。明日の1限目にある日本史Bの授業中に提出する宿題をやるのに必要な資料集を学校に置いてきてしまったからだ。…

パパ活したら日本一有名なパパと出会った話

私は男が嫌いだ。 男は私から多くの物を奪う。自尊心。自由。それと心の平穏。こう考えるようになったきっかけは私と父親との関係性にあると思う。私の父は気性が荒く、気に入らないことがあるとすぐに母や私に手を上げていた。粗暴な父親を見ていたからか、…

長門有希に童貞を捧げた話

僕はあと数ヶ月で魔法使いになってしまう。ここで言う魔法使いというのは魔術に造詣の深いファンタジーの存在という訳では無い。そんな綺麗なものじゃあない。 女性と肉体関係を1度も持たずに30歳を迎えた男性を日本ではそう呼ぶのだ。20代前半の頃はまさか3…

量産型女子と遊んだ

私は現在4年生の女子大生である。曲がりなりにも女子であるため、女友達は沢山いる。今回はその中の1人と遊びに行った際の記憶を頼りに記事を書こうと思う。 ある日、彼女(友人Sとする)から一通のLINEが来た。「最近全然会えてないよね〜!元気?」といった…

スウェーデン人の奇妙な風習

先日、スウェーデン人の親戚の結婚式に行ってきた。彼女はスウェーデン人とスウェーデン人の間に生まれた生粋のスウェーデン人だ。彼女と私の関係は従姉妹で、母親同士が姉妹である。私の父は日本人なので、私はスウェーデン人と日本人のハーフということに…