嘘八百日記

このブログ記事は全てフィクションです。

心象スケッチ

遺書

私はとっても幸せな人間でした。 周りの人にも家庭環境にも恵まれています。 世界中で1番幸せな人間です。 ある小説では、『悲しみの限りを通り過ぎて、不思議な薄明りの気持、あれが幸福感というもの』と言っていました。 私は今、同じ気持ちです。 とても…

心の贅肉のポワレ 希死念慮と劣等感のキャベツ包み 隙自語を添えて

これは遺書のようなものである。 いつ自分が死んでしまっても大丈夫なように、文章の形で今の自分の気持ちを残しておこうと思う。 自分が何も残さずに死んだら、私という存在がそもそもなかったかのように忘れられてしまいそうで、それがすごく怖かった。自…

最近、脳内で植物を育てています

私は、脳内で植物を育てている。その植物は、神経伝達物質であるセロトニンを養分として吸収し、成長していく。植物はゆっくりと脳を蝕み、いつしかその根が脳髄全体へと到達すると、思考や行動をも支配してしまう。自分の意思で体を上手く動かすことが出来…

ペットの名前は『希死念慮』

最近、僕はペットを飼い始めた。いや、飼わざるを得なくなったと言った方が正しいかもしれない。ある日、僕が学校から帰宅すると、ソレはいつの間にか僕の部屋に入り込んでいた。どこにそんな隙間があったのだろうか。僕は何度もソレを追い出そうとしたのだ…

シュルレアリスム

目が覚めると、私は薄暗い場所に横たわっていた。ここはどこだろう。私はこの場所に全く見覚えがなかった。ポツリ。いくつもの水滴が私の頬を叩いている。ここではずっと雨が降っているみたいだ。私は重い体を何とか起こして立ち上がった。周りを見渡すが、…